農★blog - 2008/09のエントリ
みなさん、こんにちは。東京では夏日が続き、厳しい残暑に見舞われているようですが、北海道では一昨日ついに初雪が降りました!!
写真は、株式会社ゆうりん観光のサイトから引用。
http://www.rinyu.co.jp/kurodake/index.html
まだ、旭岳や黒岳などの山頂部分で観測されたのみですが、北海道に住む私たちにとって、「初雪のたより」というものは、「平地でも、まもなく雪が降りますよ」というたよりでもありますね。
「雪は天からの手紙である」とは、雪研究の第一人者だった故・中谷宇吉郎氏の有名な言葉です。雪の姿を素直に表現した、素敵な言葉ですね。
この雪は、手紙にとどまらず、「贈り物」としての側面も大きくあります。雪が積もるからこそ、北海道の人々は「井戸水が枯れて困る」という経験をしたことがありません。全国に出荷される黒松内町や共和町の水は、「おいしい!」と大好評ですよね。
野菜などは、雪蔵に越冬させることで、さらに甘くておいしい状態にして出荷できます。もちろん、雪がとけた後は、農業用水として使われます。
最近では、夏の冷房などとしても使う新しい取り組みが行なわれています。
でも、良いことばかりではないのですよね。毎年、雪の事故で亡くなる人もいらっしゃいます。
それでも、雪と上手に付き合うことができれば、どんなに素晴らしいでしょうか。「雪は天からの手紙である」。地球温暖化なども言われますが、この白くて美しい手紙がいつまでも届く北海道でありたいものです。
みなさん、こんにちは。季節は実りの秋になりましたが、どんな味覚を楽しんでいますか?
先日、私の会社の女性社員が、ルンルンしながら満面の笑顔で出社してきました。聞くと、9月5日に開催された、幌加内町の新そば祭りに行ってきたのだとか。
この地図のA地点が幌加内ですね。夏の気温は30℃、冬はマイナス41.2℃を記録したこともある「70℃以上も寒暖の差がある街」なのです。
その幌加内の名産品は、そば! 作付け面積も生産量も、日本一。高品質なそば粉は全国に出荷されているので、みなさんも知らないうちに幌加内のそばを味わっているかもしれません。
今年は新そば祭りと平行して「日本そば博覧会in幌加内」が開催されたために、日本中から20店舗のそば職人が集結し、その腕を競い合ったのです。1,800人ほどの小さな街には、6万人ものそばファンが駆けつけました。
会場には、熟練のそば職人たちに混じって、そば打ちの腕を披露した若者たちの姿も。彼らはなんと、幌加内高校の生徒さんたちでした。
幌加内高校は全国的にも珍しく、そば打ちの必修授業があるのですよ。しかも、そば打ち有段者も輩出する本格的な高校なのです。
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/school/hi/index.htm
会場には、そばの店舗以外にも一般の出店が80店も出店。JAきたそらち青年部が開発した「そばビール」など、珍しい地元特産品が会場をにぎわせていました。「おいしかった〜」と、女性社員のコメント。来年は、私もぜひ行ってみたいな。
なお、お問い合わせ先は、JAきたそらち幌加内支所の日本そば博覧会実行委員会です。幌加内そばキャラクターの「ソバミン」が、みなさんを出迎えてくれますよ〜。
http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_nogyo/wagamura/contest/01/area/t_01/index.html
みなさん、こんにちは。北京パラリンピックが開催され、選手たちの美しい汗と感動的な涙がテレビ画面に映し出されていますね。
今週、私が旅行してきた最北の街・稚内市では、街をあげての大盛り上がり! なぜなら、稚内市出身の藤田征樹(ふじたまさき)選手が自転車競技でメダル第1号に輝いたからです。
稚内市役所には、祝福の巨大垂れ幕まで掲げられました!! 「藤田征樹選手 銀メダル獲得おめでとう!」の文字が分かりますか?
11日現在、銀メダルを2個獲得するという、絶好調ぶりを発揮しています!!
藤田選手がパラリンピックで活躍することは、世の中に相互理解と助け合いの精神を広めるきっかけになることでしょう。
特に北海道では、他の地域と違い、「冬になると、点字ブロックやスロープ、平らな舗装が雪に埋もれて使えなくなる」という大きな問題に直面します。「天の贈り物」である白い雪も、障害者には「大きな障害物」になることもあります。
そんな困難も、助け合いの心で解決できるケースが多くあるのです。海外では“当たり前の光景”が、日本でも“当たり前の光景”になってほしいものです。
それにしても、「オリンピックと違うな…」と感じてしまうのは、テレビの放送時間。オリンピックはNHKでも民放でも1日中放送されていたのに、パラリンピックはNHKがダイジェスト版を放送するだけ…。海外では障害者スポーツがプロ化され、放送時間も多いというのに残念ですね…。
北京パラリンピックのテーマは「ひとつの世界、ひとつの夢」。北京で日本の障害者と世界の障害者が「同床異夢」を見ているような気がします。
みなさん、こんにちは。9月に入り、季節は夏に終わりをつげようとしています。この夏は、どんな「夏の味」を楽しみましたか? カキ氷やスイカなど、夏ならではの味覚を楽しんだ方も多いでしょうね。
私は、やっぱりメロンが好き。数年前、農村地帯に住んでいたころは、農家の友人から山のようにメロンをいただいていました。だから、その当時は毎日メロンが食卓を美しく彩っていました。本当に感謝です!!
写真は札幌市HPより引用
http://www.city.sapporo.jp/keizai/nogyo/gaiyou/meron.html
本文と写真は、関係ありません。
北海道は「夕張メロン」や「三笠メロン」など、意外なほど多品種メロンの名産地なのですよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%83%B3
メロンやさまざまな果物は、北海道特有の「夏は、昼間が暑くても、夜になると肌寒い」という1日の寒暖の差があるため、甘みを増すのです。
さらに、高度成長期時代へ突入すると、米余りによる減反政策などの影響から、転作を余儀なくされる農家が多く出ます。そして、多くのみなさんが稲作以外のさまざまな品目に転向したのです。メロンも、そんな転作作物のひとつだったのです。
試行錯誤の末、北海道のおいしいメロンは、日本中のみなさんに知られるようになります。多くの方々に「おいしい」と喜んでもらえ、さらに付加価値の高いメロンは、農家にとっても“救世主”だったのです。
メロン農家をしている私の友人は現在、大農場を経営しています。遠くから観光客が美しい畑とおいしいメロンを目当てに大勢来るほど。家には、ガラスケースの中にたくさんのトロフィーが飾られていました。「なんのトロフィーだろう?」とのぞき込むと、そこには「杜氏 金賞」という文字とともに、友人のお父さんの名前が書かれてあったのです。
杜氏(とうじ)と言えば、日本酒を造る職人さんのこと。農家に生まれ育った友人のお父さんとは、まったく関係がないように思えます。
「おかしいな?どうして杜氏として表彰されたのだろう?」と思ったので、友人のお父さんに「このトロフィーは、どうしたのですか?」と聞いてみました。
そうすると、友人のお父さんは、こんなことを話してくれました。
「昔は農業だけで生活ができなかったから、冬場は都会へ出稼ぎに行っていたんだ。僕の冬の仕事は、杜氏。日本酒の酒蔵で、お酒を作っていたんだよ。そのときに、コンテストでもらったトロフィーなんだ。
出稼ぎは、本当に大変だった。北海道は半年間も大地が雪で埋もれるから、出稼ぎ期間も半年間になる。その間、家族に会えないのは、本当につらかった。『子供たちは、どうしているかな?』って思うしね。
でも、メロンを作るようになってから、収入も上がって、出稼ぎに行く必要がなくなった。このメロンのおかげで、やっと1年を通して家族の顔を見られるようになったんだよ」。
甘いメロンには、そんな苦い涙の味があったのですね。友人のお父さんの話しを聞いてから、友人の畑から採れるメロンの味が、それまでとまったく違う味に感じられるようになりました。やっぱりメロンが大好き。