農★blog - 2008/06のエントリ
みなさん、こんにちは。この写真が何か、分かりますか?
宇宙人来襲の痕跡? はたまた、気まぐれな芸術家の作品? いえいえ、どちらも違います。これは、“ロール”と言って、乾燥させた牧草のかたまりなのです。このロールが、牛たちの冬に向けた保存食となるのです。
北海道では、ロール作りが最盛期を迎えています。酪農関係者は、私にこう教えてくれました。「1年間、安定して牛乳を生産できるかどうかは、この時期のロール作りにかかっています。天候が関係ないと思われがちな酪農ですが、この時期は晴れてほしいですね」。
おいしい牛乳を搾るための秘けつも教わりましたよ!
「おいしい牛乳を牛に出してもらうには、おいしい牧草を育てて食べさせることです。牛に喜んでもらえない牧草では、おいしい牛乳を出してもらえないんですよ」。
なるほど、そうだったのですね!! 北海道の牛たちも「違いが分かる、グルメ嗜好」だったのですね。
全国的に品薄状態にある乳製品ですが、酪農家たちは今年も安心・安全な生乳を出荷しようと頑張っています。「あとは、晴れることを願うのみ」と、酪農関係者。牧場では、懸命な作業が続いています。
みなさん、こんにちは。
会社の近くで亜麻の花が咲いていましたので、撮ってみました!!
本当に小さい花が、街路樹の下でひっそりと咲いている姿に、「控えめで、謙虚な美しさを持った花だな」と感動してしまいました。
こんなに小さな植物なのに、昔はこの花から油や繊維を採り、日本人の生活を支えていたというのですから驚きです。
花好きな人に聞いたところ、この町内会で稼動していた繊維工場を懐かしむ人々が、街路樹の根元に亜麻を植えたのだとか…。その人は、私に言いました。「自分の友人が繊維工場にいたんだけど、その後工場が閉鎖され、あちこちを転々として苦労したようだ」。
時代の流れに翻弄されたのは、路上にたたずむ亜麻の花だけでなく、それにかかわる人々も同じだったのですね。
亜麻にかかわる人々が仕事を失ったように、今の北海道には時代の流れの中で農業をやめるもいます。亜麻の花は、「このままでは大変なことになる」と、寡黙ながら饒舌に私たちへ語りかけているのかもしれません。
みなさん、こんにちは。文学好きな本州のみなさんに、「北海道で知っている場所は?」と聞くと、必ず「塩狩峠!」という答えが返ってきます。故・三浦綾子さんの代表作「塩狩峠」を意識しての答えなのでしょう。
先日、私が北海道上川郡和寒町にある塩狩峠に行ったときは、最高の観光日よりでした!
ここは三浦綾子さんの自宅です。現在は塩狩峠記念館として、遺品とともに大事に保存されているのですよ。
小説「塩狩峠」の主人公は、長野政雄さん。長野さんは、暴走する列車を止めるために、自ら線路に身を投げたとされています。あまり知られていませんが、その路線は現在も現役路線として使われているのです。
塩狩峠には、もう廃業しましたが、塩狩温泉という温泉旅館がありました。この塩狩温泉に、三浦綾子さんは頻繁に訪れていたそうです。三浦さんが決まって利用していた部屋は、長野さんが身を投げたとされる線路をはっきりと眺めることのできる「松の間」でした。ここにも三浦さんの「塩狩峠」に対する想いが偲ばれます。
写真は、私が廃業時に記念として撮影しておいた松の間です。「松の間を初めて見た!」という人も、多いのではないでしょうか?
さて、この地区の特産品は、越冬キャベツです。峠の下では北海道グルメの期待に応えるため、順調に育っていましたよ。小説「塩狩峠」のころにはなかった景色です。塩狩峠の一帯には、過去の時間と現在の時間が共存しているようにも思えました。
みなさん、こんにちは! 今日は驚くべき発見をしました! 私の会社の庭で、北海道には生息していなかったはずのダンゴムシを発見したのです!!
さっそく社内に持ち帰り、みんなに見せました。
「初めて見た!」と大喜びする男性社員と、気持ち悪がる女性社員…。(>_<)
私がダンゴムシを見たのは、8年前に京都で見て以来、人生で2度目のことです。
普段は、はいつくばっているダンゴムシが…。
指で押されると丸くなります。
社団法人農林水産技術情報協会のHPによると、従来は北海道にいないとされていたダンゴムシが人や物に付いて運ばれ、津軽海峡を渡ったのだとか…。
http://www.afftis.or.jp/QandA/box/mon/mon402.htm
社内では大いに盛り上がっていましたが、よくよく考えると、これは大変な出来事なのかもしれません。最近では、北海道にいなかった虫や動物が持ち込まれ、生態系に影響を与えると報告されています。
実際、和寒のメロン農家からは「今までいなかったカブトムシがメロンを傷付けてしまい、出荷できなくなった」という悲鳴が聞かれます。
札幌では、今まで北海道にいなかったアライグマが、アオサギのコロニーを壊したこともあります。
江別の酪農学園大学では、水辺の生態系を守るために、今まで北海道にいなかったトノサマガエルの駆除を始めました。
人間の身勝手な都合で生態系が崩れ、そのたびに「生態系を守る」という理由で動物たちの命が奪われて行く…。「害獣駆除」などと言われますが、一番の害獣は人間なのかもしれません。