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JA北いしかり直営ネットショップがオープン!!
期間限定「わけありアスパラ」はお見逃しなく!
北海道札幌市に隣接し、豊かな緑と大地に恵まれた美しい田園地帯が広がるJA北いしかりさんの農産・加工品の直営ネットショップがオープンしました。
http://www.food-palette.com/ja-kitaishikari/
今回、期間限定で販売されるのは、北海道ではこれから旬となる北いしかりブランドのアスパラ、「贈答用アスパラ」「わけありアスパラ」の2つのタイプ。
※写真はイメージです。
Q:「わけありグリーンアスパラ」とは・・・?
A:品種特性で、天候により茎部に赤み(アントシアニン)を帯びたり、穂先の花持ち(開き)や若干の曲がり、切り口の割れが生じているもので鮮度や味は一切製品のものと変わりありません(ただし、わけありですので、贈答用には向きません)。
そのほか、通年通して、体にやさしい安全・安心な加工品が勢ぞろいしています。濃縮タイプ1本に、しその葉150枚分以上のエキスをぜいたくに含むしそジュース(赤無糖・赤加糖・青加糖)。健康指向の方に人気のジュースです。
このほか、トマトと塩以外一切使わないトマトジュースや厚田産大豆を1年間熟成させ防腐剤を一切使わない無添加みそ、このみそと乾燥しそをドッキングさせた甘みそなど、産地ならではの味をお楽しみいただけます。
GWを前に、北海道でも桜の開花が例年以上に早まりそう…という話題があちこちで取り上げられていました。と思ったらこの週末、全道的に突然の積雪です。自宅付近から遠くを眺めると、ちょっと見ただけでは真冬と変わらないような景色が広がっていました。4月下旬に、札幌でこれぐらいのまとまった積雪が観測されたのは32年ぶり、とのこと。前回のブログで「北海道はもうすっかり春」なんて書いてしまったのに…。
暖冬で雪も少なく、3月からの融雪も駆け足で進み、いつになく「暖かな春」という気分が醸し出されていたところへの大雪。そのため、やや驚きを伴った報道も目立ったのですが、冷静に考えてみれば、北海道や札幌で4月に雪が降ること自体はそんなに珍しいことではないんですね。
お天気の世界では、春になってから最後に降る雪のことを「終雪(しゅうせつ)」と呼んでいるそうです。「平年」のデータによると、北海道の終雪は4月なってからで、札幌は4月19日。さらに、北海道の内陸部やオホーツク海沿岸では5月上旬となっていますから、今回のように積もるほどではなければ、5月に入ってから雪が降ることもあるわけです。それどころか記録の上では、網走や根室では1941年6月8日に雪があり、これは観測史上最も遅い平地での終雪とのこと。札幌でも、その年の5月25日に雪が観測されているそうです。
いくら暖かだと思っても、突然雪が降ったり、季節外れの寒さになったりする…、それぐらい北海道の気候は変動が大きいことを今更ながらに実感しました。また、そうした中で、少しでもおいしい農作物を安定して生産しようと打ち込んでおられる農家の方々のご奮闘を、改めて考えさせられた「雪」でした。
JAよいちさんから
旬のイチゴ「けんたろう」予約販売開始!
JAよいちさんから産直のお知らせ、第2弾が届きました。
「とよのか」と「きたえくぼ」の交配によって生まれた北海道ブランドのイチゴ「けんたろう」が期間限定で先行予約販売されました。「けんたろう」は酸味が少なく、一粒、一粒に果汁がギッシリ詰まっていてとってもとってもジューシーです。
イチゴ本来の美味しさが実感できますので、イチゴにはミルク派というかたも、一度そのまま食べてみては・・・。農家さんが一粒一粒愛情込めて育てた「けんたろう」、ぜひ、この機会に味わってみてはいかがでしょうか。お勧めの一品です!!
http://www.food-palette.com/ja-yoichi/
★ お知らせです。4月27日いよいよJA北いしかりさんのネットショップ3号店がオープンします。期間限定で「わけありアスパラ」「贈答用アスパラ」を産直予定です。詳しくはオープン後お知らせいたします。
北海道もすっかり春。気温の上がり方も例年にない速さのようで、街のあちこちにもいろいろな花を見かけるようになりました。白を主体とした景色が、少しずつ彩りを増していくにつれて心の中も暖かくなっていく、春はそんな季節なのかも知れません。
先日、ネットで「あなたはどの季節が好きですか?」というアンケート結果に出会いました。回答者482人の中で、1番人気となったのが春、202人・41.9%でした。以下、2位が秋で151人・31.3%、3位が夏の106人・22.0%、4位の冬はわずかに23人・4.8%となっていました。統計学的にはやや微妙なサンプル数とも思われますが、確かに「そうだろうなぁ…」という感じは受けます。ちなみに、回答者100人未満の別の調査結果でも、春→秋→夏→冬、という順番は同じでした。
春を挙げる理由としては、「一斉に花が咲き競う」「暖かくなって気分も高揚してくる」「すごしやすい」「木々に新芽や花芽が付きます。植物の生命力の強さが実感できる」「始まりの季節である」「町中にNEWが溢れている」などが主なもの。ただ、「花粉症がひどくなるのがちょっと困る」というのが、いかにも今の社会を反映しているようで面白いところ。
もちろん農業にとっても、春は始まりの季節。道南方面のJAさんを訪問した途中、春作業に打ち込んでおられる光景に出会いました。それがこちら。木々の芽や葉、花が街を明るくしていくのと同じように、水田や畑、牧草地などにもさまざまな彩りがひろがり、「農」という自然との対話がこれからまた繰り広げられていくんですね。
「何か面白い番組はないか…?」とリモコンをパチパチやっていたら、ケーブルテレビで黒澤明監督の「デルス・ウザーラ」を放映中でした。この映画、あまり話題になることはないのですが、私にとっては黒澤作品の中でのベスト3です。シベリアのウズリー地方を舞台にしたソ連との合作であることなどから、一般的には地味なイメージでとらえられているのかもしれませんが、映画好きなら見逃す手はない、そんな出来栄えだと思っています。それほどのお気に入りでしたから、もう何度となく見てはいたものの、やはり最後まで見入ってしまいました。
一方、どうにも苦手なのが「影武者」。ご存知のとおり、武田信玄とその影武者という一人二役を、当初は勝新太郎が演じていたのに、黒澤監督と衝突して降板し、仲代達矢が代役を務めた作品です。仲代さん、いい役者さんなんだけれど、やはり見ていて「この役は、ちょっと違うよね…」という違和感がずっとつきまとってしまいます。もちろん、突然の主役俳優降板という事情の中で、仲代さん自身も「自分が適役ではない」と承知しつつも代役を受けざるを得なかったのだとは思いますが。
先日、農水省が「新規需要としての米粉の原料米使用量は2008年度で約9500トン」という推計を発表していました。2007年度比較で約1.6倍になるそうです。その用途は、パン用が4割、めん類が1〜2割、菓子類・その他が4割、などとなっています。そういえば、近くのスーパーなどでも、「米粉」という表示を見ることも多くなってきたように感じます。
なるほど「米粉」の活用も順調に進み始めているのかなとも思ったのですが、報道などによると実はちょっと「訳あり」らしい…。要は、2008年度の小麦の値上がりが米粉の使用拡大の背景にあった、つまり米粉の伸びは小麦の代役としてのものであった、ということのようです。
言われてみれば、そうなのかも知れません。用途となっているパンやめん類なども、もとは小麦が中心でしたから、「その代わり」というのも実情なのでしょう。でも、ただの代役では終わらない米粉ならではの特徴だってあるはずです。たとえば、写真のようなシフォンケーキでも、小麦粉を使ったものとの大きな違いは「しっとり」「ふわふわ」した食感で、それはかなりの評判だそうです。また、パン類でも、小麦とは異なるちりした食感が受けて、女性を中心にファンが増えているとも言います。
それぞれに特徴あるいは適役があるのは当然だと思います。でも、いろいろな工夫が重ねられる中で、米粉の活躍の場は着実に広がりつつあるようです。せっかくのその動きがもっと活発になり、小麦粉の一時の「代役」としてではなく、米粉が「主役」として歩んでいく道が開けることを期待したいものです。
休日の朝、特に天気の良い朝は、近くの公園に出かけていくのが楽しみになりました。林の中に住んでいるかわいいお客さんに出会えるからです。「今日も出会えるかな…」「どの辺で遊んでいるだろうか…」。デジカメを手にして公園の中の遊歩道をたどり、ゆっくりと周りを見わたしていると、木立の中にすばやく動く影…。いました、いました、エゾリスです。
先週お目にかかったのはもう少し大きかったので、どうやら別の個体なのでしょう。木の上と下を往復したり、木から木へと飛び渡ったりと、元気いっぱいのため、おとなしく写させてくれたりはしません。まあ、そういうエゾリスとうまく折り合いながら、なんとかして良いカットを撮影するという、その苦労も楽しさの一つなのですけれど。こうして休日の午前は、すぐにお昼近くにまでなってしまいます。
この日は、もう一人の珍しいお客さんにも出会いました。それがこちらのエゾシマリス。冬眠しないエゾリスとは違って、エゾシマリスは10月から4月まで、約200日間ほど冬眠しますから、このエゾシマリスは動き始めて間もないのでしょう。エサを探しあてるとほお袋いっぱいにそれをつめこんでいました。そのしぐさがまたなんとも言えず、心を潤してくれます。
エゾリス、そしてエゾシマリスは、日本では北海道だけで見られる動物です。他にも、多くの方がご存知のとおり、ヒグマ(正確にはエゾヒグマ)、エゾシカ、エゾナキウサギ、キタキツネなどの動物やエゾカンゾウ、エゾキスゲ、エゾオヤマノエンドウなどの植物、そして昆虫などでも、本州では見られない生物がたくさん生息しています。
そうした違いがもたらされたのは、北海道と本州とを隔てる津軽海峡が「ブラキストン線」という動植物の分布境界線の一つになっていることや、気候条件の面でも北海道が亜寒帯で本州は温帯に区分されること、などによるものだとするのが一般的な説明です。そう言われると、なるほど北海道は、本州とは文字通り「一線を画した」場所なのだと分かりますし、その北海道での開拓や農耕の取り組みは、たいへんな志にあふれた挑戦だったのだなあ、と改めて考えさせられます。なんと言っても、あの生命力あふれる「ゴキブリ」でさえ、つい先ごろまではこの「ブラキストン線」を越えてはこなかったのですから…。
先般、「2008米穀年度において、北海道内で消費された食用米は約35万6,000トン、そのうちの26万6,000トン、74.8%が北海道産米で占められた」というデータを北海道が発表していました。地元の北海道民でさえ半分程度、低い時には3分の1程度しか食べていなかった北海道米を、今では4分の3もの道民が食べるようになってきたのです。それだけ北海道米の「おいしさ」や「安全・安心」が、道民に浸透してきたということでしょう。ちなみにわたくしは、以前は「ほしのゆめ」で、最近では「ななつぼし」「ふっくりんこ」がお気に入りです。ここを土台に、道産米の食率80%を達成する、さらには本州以内においても北海道産米の普及を図っていく、というのが北海道の次なる目標だといいます。
自然の分布境界を越えた動植物の移入は生態系を乱す、農業被害をもたらす、などさまざまな影響を及ぼすため、人間の手によって動植物を本来の生息地から他の地域に移動させるのは好ましくないといわれています。でも、おいしい農産物が産地を越えて広く流通し、それを通してお互いがさらに切磋琢磨していくというのは、生産者にとっても消費者にとっても大切なことのような気がします。その意味でも、北海道米の評価が「ブラキストン線」を越えて、どんどん全国でも高まっていってほしいと、道民の一人としては願っているところです。
昨日29日、札幌市の積雪がゼロになったと発表されました。このところやや寒い日が続き、少しだけ季節が後ずさりしたような感じもあったのですが、週末に暖かさが戻ってきて、平年よりも半月ほど早く「積雪」ゼロとなったわけです。「ようやく春が…」「とうとう冬が…」。新たな季節を待ち望んでいた人、去り行く季節に名残を惜しむ人、反応はまちまちかと思います。個人的には、「う〜ん、3月中になくなっちゃうほど温暖化が進んでいるのか」と、別な意味で複雑な気分なのですが…。
家の周りにも、そうしたいつになく早い春の訪れを教えてくれるものがありました。堆積した落ち葉を突き破って顔を出す浅緑色の「ふきのとう」です。北海道では「一番最初に楽しめる山菜」としてけっこう人気があります。
単に「食べられる」というだけではなく、βカロチンやビタミンB群、カルシウムを含むなど栄養面でも優れていたり、煎じて飲むと、せきや痰、熱を抑える効果があることが、古くから言い伝えられてきたそうです。なるほど、昔の人の知恵はけっこう深いんですね。
いつだったか「ナマコを初めて食べた人は、どれだけ勇気があったことか」という文に出会ったことがあります。長い自然とのつきあいの中で、植物や動物について「これは食べられる、こっちは食べられない」とか「葉は良いが、根はダメ」などと体系的に選り分けてきた昔の人の挑戦を称える内容でした。また、ただ食べるだけではなく、例えばコーヒーなら「焙煎し、挽いて粉にし、お湯で淹れる、という形で飲用にする」などの、食文化を高めるために重ねられてきたさまざまな試行についても紹介されていたように思います。
「ふきのとう」を漢字では「蕗の薹」と書きます。このうち「薹(とう)」というのは花を付ける軸、花茎のこと。花をつける茎が伸びると硬くなって食べづらく、食べても美味しくなくなってしまいます。そこから、「人が何かをする適齢期を過ぎてしまった」ことをさす「薹が立つ」という言葉が生まれたとされています。確かに、私のような中高年になってくると、体力や瞬発力が求められるようなことについては「薹が立ちすぎて」、適齢期ではないものがたくさん出てきます。
しかし、物事について今までよりほんの少しでも関心を深めていく、それだったらもう少し頑張れそうな気もします。例えば、何かの食材について「食べられる・食べられない」「おいしい・おいしくない」というだけで終わるのではなく、その背後に重ねられてきた人々の無数の「試み」や「知恵」について思いをめぐらしてみるとか…。そうした姿勢を、季節の移り変わりの中で忘れてしまわないようにしたいと考えています。
北海道南西部にある農村のスーパーで、珍しい光景を目にしました。「珍しい」とはいっても、「都会で暮らす者にとっては」という注釈をいちおう付けておきますけれども、それが写真にある「野菜の対面販売」。一般的にスーパーといえば、セルフ販売が基本で、対面販売のコーナーがあったとしてもほとんどは魚介や惣菜ぐらい。それに、対面販売が基本のデパ地下でも、野菜の対面販売をしているお店には出会ったことはありません。それで「へぇ〜珍しい、市場か八百屋さんみたい…」と感じたわけです。
お仕事の邪魔をしないように遠くから拝見していると、野菜を品定めしているお客さんにアドバイスし、質問にもていねいに応じていて、お客さんも納得顔で購入していきます。人員を配置するのですから何がしかの経費はかかるはずですが、それよりも、お客さんの満足度を高めていくことによって得られるものを重視しているのでしょう。お店側として、消費者の反応や買い物の動向をダイレクトに把握できる、という効果にも期待している面もありそうです。メリットと経費のバランスをどうとるのかは難しい判断だと思いますが、「スーパーでは基本としていない対面販売に、あえて取り組んだ」ということ自体が、一つの付加価値を生み出しているような印象を受けました。
そういえば…。無類の蕎麦好きなため、あちこち行くたびに、お蕎麦屋さん探しをするのですが、その中で、薬味につかう「わさび」を生の姿のまま出し客におろしてもらう、というスタイルのお店に出会ったのです。蕎麦も絶品でしたが、このわさびの一件で「他の店とはちょっと違うぞ」というイメージがまず伝わってきて、その演出に感心してしまいました。聞いた話では、数種類の薬味を別々の小皿に分けて出し、自分の好みの薬味を好みの分量で足していきながら味わえるようにしたうどん屋さんもあるそうです。
どちらかというと、「客の手間をはぶいてあげる」ということがこれまでのサービス、付加価値だとする方向が多かったように思うのですが、こうしたお店は逆だったのですね。あえて「客に手間をかけてもらう」ことを付加価値として位置づけていく…、そうした姿勢がそれぞれのお店の蕎麦やうどんの商品価値を、他の店以上に大きくしていると感じました。
分野は違っていても、このような発想の仕方や視点の向け方は、農業において求められている「新たな付加価値」を探っていくときにも、何かのヒントになりそうな気がします。そんなふうにあれこれと考えさせてくれたお礼の意味も込めて、小松菜とナス、キャベツ1/2玉を買わせていただきました。
「食のパレット北海道」のネットショップ1号店、2号店がオープンしました。JA夕張市さんとJAよいちさんのショップです。
夕張さんではショップオープン記念の先行予約販売が好評のうちに完売となり、第3弾の販売をはじめています。夕張農協検査場から直送される夕張メロンですよ。
まだ、覧になっていないかたは、ぜひご覧になってみては。
アドレスは、http://www.food-palette.com/ja-yubari/
また、余市さんと言えば、フルーツ。ぶどう、なし、りんご、いちご、プルーンなどなど…。夏に向けて旬のフルーツがお目見えする予定ですよ。
中でも、ハート形のトマトベリーは、北海道では、JAよいちさんのほかは個々の農家の方がいくつか取り組んでいるという、まだまだ数少ないものであるため、早いもの勝ちになる可能性大。たびたび、ショップをチェックしなければ…。
特別な日に、大切な家族のためにハート型のトマトベリーのサラダを。きっと、あなたのハートが伝わりますよ。夏まで待てないという方は、大玉トマトとミニトマトのブレンドのトマトジュース「余市小町」やりんごジュース「りんごのほっぺ」ですね。
JAよいちさんのショップはこちらです。
アドレス http://www.food-palette.com/ja-yoichi/
その年の「流行色」というものがあるのだそうです。「2009年春夏、レディースウエアの流行色は、ピンク・ベージュ・グリーン(青緑)が注目色なんですよぉ〜」。テレビに出てきた服飾評論家とおぼしき方が、そう力説されていました。ふだんからファッションとか美的センスとは縁遠い生活を送っているので、「流行色?、ふ〜ん」という感じで聞き流していたのですが、ふと「○○と▽▽が流行色って、誰がどうやって調べたのだろうか」「どのぐらい広まったら『流行した』と判断するのか」という疑問が…。あれこれ探ってみると、それは実に簡単な仕組みでした。
つまり、「流行色」というのは、世間に広まっているかどうかなどとは無関係。インターカラー(国際流行色委員会)という国際的に流行色を検討する場があり、そこで2年ほど前から検討を重ね、それを受けて社団法人日本流行色協会などの日本の機関が1年半前ぐらいに「○○年の流行色はこれだ!」と決める…、そういうプロセスになっていることが分かりました。ということは、世間に「自然に広まっている色」「広まりつつある色」などではなく、関連する業界が共同して「経営戦略として広めていくと決めた色」ということなんですね。
言われてみれば確かにそうです。でなければ、まだ冬なのに「09年春夏の流行色は…」などと、これからの季節の流行を話題にできるはずもないのですから。このことは、多くの女性の方、ファッション、デザインなどに関心のある方にとっては常識なのでしょう。でも、私のような中高年の者からすれば、「流行」という言葉を聞くと「何かの考え方や製品・言葉などが社会の中に広まっている、あるいは浸透しつつあるような状態」だと受け止めてしまいますから、どうしても落ち着かない感じが残ってしまいます。
ところで、「流行色」の一つに選ばれたグリーン(青緑)といえば、農家の人たちにとっては、流行とか何とかに関わらず常に身の周りで親しんでいる色だと思います。水田や畑、草地を舞台に、芽を出し枝葉を広げながら生育していく作物の緑。そして、流れる汗を拭いながら見上げると、そこに広がる大空の青…。もともと「緑」の語源は「芽出る」、木々や草が青々と茂るようすから認識されてきたものと言いますから、農業と深い結びつきがあっても何の不思議もないですよね。
農家の人たちだけではなく、多くの人にとってもグリーンは親しまれているようで、ある食品メーカーが実施した「最も食欲をそそる色」の調査で「緑」は見事に1位。400人中168人がこの色を選んだそうです。最近の日本人の健康志向を背景に、「新鮮な野菜を連想させる」というのが人気につながったと分析されています。また、もっと広い世界的な範囲での「人類の好きな色ランキング」によると、1位は約半数が選んだ青系列の色、2位は5人に1人が選んだ緑、という調査結果もあるそうで、09年の流行色のグリーン(青緑)が、ここでも揃って上位を占めています。
2009年春夏の流行色に「グリーン(青緑)」が選ばれたのは、エコロジーに対する関心が高まっている流れを踏まえて、「自然な循環」をイメージさせる色、という理由があったと伝えられています。せっかくそこまで目を向けてくれたのなら、もう一歩踏み込んで、青や緑と強く結びついている農業、自然とともに歩む産業である農業、そこにも正しい関心が向くように、今回の「流行色」をアピールしてほしい…。これまで知らなかった「流行色」のことが少しだけ分かってきた中で、そんな思いを強くしました。