農★blog - ギリシャ神殿ではありませんよ。稚内港北防波堤ドームです。
みなさん、こんにちは。ここがどこか、分かりますか?
ギリシャ神殿の一部のような、ゴシック調の建物ですね。ここは、稚内港北防波堤ドームという北海道遺産にも選ばれた由緒正しい場所です。
全国ネットのCMなどで使われることの多い場所ですが、放送される際は、あたかも外国であるかのように自動車を右側通行させることもあるのです。そのため、ここが北海道であることに気づかない視聴者も多いようですね。
私も初めて稚内港北防波堤ドームに行ってみたのですが、まるで異国の古代遺跡に迷い込んだような、不思議な気持ちになりました。回廊を吹き抜ける風は、ひんやりとしていて、真夏であることを忘れさせるほどです。
どうして、このドームが必要だったのでしょう?
このドームが建設された昭和11年、稚内市と日本領だった樺太との間には定期航路が開通していました。乗客は、乗り継ぎのために稚内港駅(現稚内駅)と桟橋の間を歩かなくてはいけません。
しかし、その頃の北防波堤は高さ5.5mしかなく、高波の時には大変危険だったのです。そのため、「コンクリートで作れる、頑丈な遊歩道を」と、当時の知を結集して作り上げたのが、このドームだったのです。
老朽化のため、昭和55年に改良工事が行われたものの、事故などを起こすことなく、現在も安全に使われています。先人たちには、学ぶことが多いですね。
ちなみに、稚内港北防波堤ドームの裏側は、こんな感じです。
宗谷海峡の厳しい荒波をまともに受け止めなければならない構造からも、このドームの堅固さが分かりますね。
ドームがあるおかげで、現在も稚内市民は、この写真のように水害におびえることなく安全に暮らせます。
皆さんも、北海道を訪れた際は、稚内市の「縁の下の力持ち」ならぬ「水ぎわの力持ち」である、この稚内港北防波堤ドームを見に来てくださいね。