JAびえいの先進的な経営方法が現在、各方面から注目を集めている。これまでの観光にプラスし、「食の美瑛」へと転身を遂げつつあるこの街には、JAびえいの今後を見据えた経営戦略があった。 美瑛は「丘のまち」として、国内のみならず、海外からも観光客が多く訪れている。観光客の目当ては、丘に広がるパッチワークのような色とりどりの風景だ。 実は、ここにも「食の美瑛」の秘密がある。起伏にとんだ数多くの丘があるということは、その丘による日なたや日かげもできる。 そこで、JAびえいは土づくり対策を推進し、適地適作農業を推奨した。営農支援と指導を細かく実施し、輪作体系を確立させ、その土地にあった作物を栽培。それがパッチワーク状の景色を副産物として作り出している。 さらに、春先に出荷できる越冬じゃがいもづくりを平成19年度から試験的に実施。じゃがいもは、越冬させることで凍結から身を守り、でんぷん質を糖に変え、甘くて深い味わいになる。その特性を利用した出荷方法だ。大掛かりな施設を使わない、どの農家でも昔から行っていた先人の知恵を応用した手軽さが特徴だ。 また、種籾の温湯消毒にも取り組んでいる。60℃の湯で種籾についた菌などを消滅させることで、種子の病気が抑えられ、農薬の使用を抑えた環境にやさしい農業を実施している。 それらの農産品には、大手流通百貨店からも取引依頼があるほどだ。JAびえいの経営戦略は、全国のJAにとっても大きな見本となるはず。 |
|
||||
|
|